投資マインドの好転 investment philosophy 2003 6 9

 メディアやエコノミストによる株式市場の見解は、
表面的なものが多いですね。
なぜ、そうなるかというと、実際に株式を売買したことがないから、
どうしても、机上の空論となるのです。
 経済を評論する者や、経済を報道する者は、
実際に株式投資の経験をすることです。
実際に経験することで、知識が智慧となります。
 もちろん、ヨーロッパに行かなくても、
ヨーロッパ論は説けます。
しかし、ヨーロッパを研究する者は、
実際にヨーロッパに行きます。
 さて、春先は、日経平均株価が急落したので、
悲観論ばかりの報道やコメントが目立ちました。
 しかし、これは表面的な報道や見解であり、
現実には、新高値が多数、続出する日々でした。
 日経平均株価というものは、
ハイテク株の平均株価のようなものです。
ハイテク株の動向を知るには、日経平均株価を見ればわかりますが、、
この指数は、株式のすべての状況を反映してはいません。
 たとえれば、学校で、優等生だけの成績を集めて、
いつも、優等生の成績の平均を発表しているようなものです。
発展途上にある生徒の成績は反映していません。
ましてや、不良な生徒が、まじめになり、
がんばってきた成績を反映していません。
日経平均株価というものは、優秀な生徒達の通信簿のようなものです。
 優秀な生徒達の通信簿ばかり、報道している様子を見ると、
メディアというものは、強者が好きなのだと思います。
優秀な学生が、さらに優秀になるのは当然のことですので、
これから成長する会社、
やがて、未来へ羽ばたく会社、
挫折のなかにあった会社が経営改革で復活することに期待がかかります。
 時には、小さいものは大きくされ、
大きいものは小さくされる。
そういう時期があってもよいのです。
 野球で言えば、1軍選手に故障者が続出の時、
いつもベンチを暖めている選手や、
2軍の選手が活躍できるチャンスが、時には必要なのです。
 いくら将来のスタープレイヤーとなる選手でも、
試合に出られなければ、話になりません。
そういうわけで、時には、1軍の選手がスランプになったり、
故障することが必要です。
 ひまわりは、春には咲きません。
気温が上昇しないと、ひまわりは育ちません。
今年の夏は、ひまわりの開花状況は、どうなるのでしょうか。
サマーラリーとなるとよいですね。
 さて、話が脱線しましたが、
投資マインドは好転したと言えるでしょう。
そう言うと、すぐ日経平均株価を見るのでしょうが、
これは、物事の一面しか見ないことになります。
 なぜ、投資マインドが好転したと言っているのか。
それは、出来高が増加しているのです。
年初は、出来高が5億株強の時もありました。
最近は、出来高が10億株以上の日が多くなりました。
本日は、出来高が16億株です。
 出来高が5億株で、平均株価が急上昇しても、
大したことではありません。
これこそが、バブルのようなものです。
 平均株価が、小幅な上昇でも、
出来高が大きければ、株式市場は成功なのです。
これこそが、厚みのある、価値ある市場なのです。
 たとえ、平均株価が下降しても、
出来高が大きければ、悪くない話です。
市場というものは、買いも多く、売りも多いのが、
健全なのです。
 ですから、市場が健全かどうかを見るには、
出来高が多い状態が継続しているかを見る必要があります。
 さて、個別の銘柄を見る時も、先人はこう言いました。
株価を見るのではなく、まず、出来高を見よ。
株価の上昇より先に、出来高の上昇が始まる。
 出来高のグラフと、株価のグラフを比較する必要があります。
出来高が少なくても株価は上昇しますが、
それは、ひ弱な株価の上昇です。
出来高の伴った株価の上昇は、力強くあります。
年初から力強く上昇している銘柄の、週足チャートの出来高を見ましょう。
出来高の推移に力強さを感じるでしょう。
出来高が沈静化すると、株価も沈静化する傾向があります。
買いも減っていますが、売りも減っています。
株価を見ると同時に、出来高の推移のチェックも忘れてはいけません。